『宝島』という吹奏楽部が演奏する定番の楽曲があると聞きます。
しかも定番中の定番だとか。(私の学生時代はありませんでしたが・・・)
その事もあって『宝島』と聞いて、音楽好きの先生や中学生が真っ先に想像するのは、   楽曲の『宝島』ではないかと最近思うことがあります。

でも、これからご紹介するのは劇団かかし座が演じる影絵劇の『宝島』です。

R・L・スティーブンソン作、児童文学・冒険小説の『宝島』をベースに、          今から約10年前(2022年から)に、劇団かかし座創立60周年記念制作作品として誕生しました。

影絵劇といいましても、スクリーンの中だけでストーリーが進むわけではなく、
4人のキャストが入れ替わり立ち替わり、ある時はスクリーンの中で、あるシーンではスクリーンの前で、それぞれの役をこなしていきます。
また、役者と共に物語を引っ張る影絵人形は、時にはダイナミック、時には繊細にと
観ている方々の想像力は大きく動かされ、お芝居の世界に入り込んでいきます。
舞台装置の3面のスクリーンには美しく繊細なハーフトーン・シルエットの影絵が。
そして、海の物語に合う重厚な音楽は『宝島』の物語の世界観を一層大きく引き立てます。

俳優たちの熱演とダイナミックかつ繊細な影絵人形の動き、かかし座が世界に誇る美しい影絵、そして一瞬で冒険世界の中へ誘う音楽は、リアルと想像の融合で観るものの世界を大きく広がせていきます。

・簡単なあらすじ
主人公はジム・ホーキンズ 
母親が経営していた宿屋にビリー・ボーンズという謎の人物が泊り込んでいた。
ある晩、ビリー・ボーンズは死んでしまい、ジムは彼の持ち物の中から油布の包みを見つけた事により、大きく運命が変わるのだった。
宝島の地図であることを知ったジムは、お金持ちのトリローニと医者のリブシーの協力を得て、一本足のジョン・シルバーと共に、ヒスパニオラ号に乗り込んだ一行は宝島を目指す。
旅の途中、海賊の本性をあらわしたジョン・シルバーは、仲間と共に反乱を起こし、ジムたちは海賊達と戦う事に。
島に置き去りにされていたベン・ガンの助けを借りて、一行は海賊たちを倒し、宝を手に入れることに成功する。
ジムの命を海賊どもから助けたこともあり、生き残ったジョン・シルバーはジム一行と共に島を離れるが、途中、行方をくらますのであった。

手影絵パフォーマンス&体験ワークショップ
芝居が始まる前には『手影絵パフォーマンス&体験ワークショップ』を鑑賞、体験いただきます。
音楽に合わせて手影絵の動物たちが次々とスクリーンに登場する『手影絵パフォーマンス』。
そのパフォーマンスに出てきた手影絵を実際に作ってみる『体験ワークショップ』。
物語を観るだけではなく、実際に体験する事で、影絵の面白さ、不思議さ、想像する楽しさを生徒みなさんにお届けします。

かかし座の俳優は、生歌、生声、生台詞と録音に頼らず演じています。
演劇部の方、文化祭や発表会で演劇をされる先生・生徒のみなさんへの参考はもちろん、
人前で話す事や大きな声を出す事、引っ込み思案でコミュニケーションを取るのが苦手な生徒のみなさんにも、俳優達の熱演を見ていただければ何かを感じ取っていただける事を、私は確信しております。

いかがでしょうか?
舞台劇と影絵の融合した他では絶対に観られない迫力のシャドウ・アドベンチャー!!
『宝島』を生徒みなさんと是非、一緒にご覧下さい。

【文責:西垣勝】